2021 02.28

小さな山村集落の風情とハイキングを楽しめる花沢の里

東名焼津ICから焼津市北部に向かって約10分。市街地からそう遠くない場所に、谷地を切り拓いて形成された、わずか30戸ほどの小さな集落があります。

通称「花沢の里」と呼ばれ、風情ある町並みやハイキングを楽しみたい方に親しまれている焼津の名所の１つです。

花沢川に沿って古民家がたたずみ、そのまわりには手つかずの自然があふれ、聴こえてくるのは鳥の鳴き声や小川のせせらぎ、風にゆれる木々の音だけ。

突然、古にタイムスリップしたかのような不思議な感覚を味わうことができます。

街道を歩いていくと、みかん畑が見えてきます。

花沢は、古くは奈良時代の東海道といわれた場所で、明治時代後半以降はみかん栽培などで盛えてきました。そのため、至るところでみかん畑を見ることができ、ほのぼのとした風景を楽しむことができます。

みかん畑を過ぎ、さらに歩いていくと風情のある町並みが顔を出します。

民家の数は江戸時代からほとんど変わっていないとのこと。建物の土台を築いている石積みや木造の建物が自然と調和し、思わず「見事……！」と声が漏れてしまいます。

この景観が評価され、静岡県で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

さらに歩みを進めていくと、いくつかの無人販売を発見！みかんや野菜などが1袋100円や200円で販売されていて、いくつも欲しくなってしまいます。

バッグに余裕があるか確認して、わたしは旅のお供にみかんを購入しました！

花沢の里の奥にある小さなカフェ「蔵＆庭カフェカントリーオーブン」

景観を楽しみながら歩いて15分ほどのところに、「蔵＆庭カフェカントリーオーブン」というカフェがあります。

花沢の里の雰囲気がギュッと凝縮されたカフェで、一息つくのにぴったりな場所です。

メニューを見ると、コーヒーや紅茶などの飲み物に加え、ケーキやクリームブリュレなどのデザート類もあり、どれにしようか迷ってしまいます！

店主の方にオススメを聞いてみたところ、コーヒーとデザート類をまとめて楽しめる「おやつセット」というメニューがあるとのこと。今回はその「おやつセット」を注文してみることにしました。

左からビスコッティ、クリームブリュレ、ケーキです。これにコーヒーがついて650円！お安い……。

「コーヒーは、たまたま自分の気に入った豆を見つけたので、その豆を使っています」と店主の方が教えてくださりました。こだわりの豆が身に沁みます。

木のぬくもりを感じながらほっと息をつく、この至福のひとときをぜひ味わってみてください。

さて、カフェのあとはハイキングです。絶景が楽しめると評判の満観峰（まんかんほう）をめざします！

富士山や駿河湾を一望できる満観峰

花沢の里を奥まで進むと、標高470mの満観峰に登る登山口が見えてきます。

さらに足を進めていくと、鞍掛峠（くらかけとうげ）に到着。ここを分岐として、満観峰コースか高草山コースかを選ぶようになっています。

花沢の里から鞍掛峠まではおよそ40分。そこから30分ほど歩くと満観峰に到着します。初心者でも楽しめるハイキングコースになっていました。

頂上からの眺めは、思わず歓声を上げてしまうほど……！

どんとそびえる富士山と、駿河湾の穏やかな水面。南アルプスの神秘的な稜線と、海岸線沿いに広がっていく街並み。これらを一望できるなんて、とっても贅沢な気分です。空気もおいしくてテンションが上がります！

趣ある町並みに情緒を感じ、山頂をめざしてハイキングをして、絶景に出合う。花沢の里に訪れると、わずか数時間のうちにいろいろな体験をすることができます。

花沢の里の入り口には、100台以上入る無料観光駐車場があるので、車でも気軽に来ることができます。

焼津に来たら、ぜひ足を運んでみてくださいね。